マスコミにおける推定無罪―「キングオブコメディ痴漢事件」報道に思うこと
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お笑いコンビ「キングオブコメディ」の片方の人が、痴漢で逮捕されたそうです。私は「キングオブコメディ」のことをを存じ上げておりませんでした(笑)
若手お笑いコンビ「キングオブコメディ」の高橋健一容疑者(36)が電車内で女子高生の体を触ったとして、東京都迷惑防止条例違反の現行犯で警視庁荒川署に逮捕されていたことが17日、分かった。高橋容疑者はすでに釈放。所属事務所によると否認しているという。
調べでは、高橋容疑者は今月11日午前8時ごろ、東京メトロ千代田線の車内で女子高生の体を触り取り押さえられた。
(以下省略)
(Sankei WEB:お笑いコンビ「キングオブコメディ」、高橋容疑者を痴漢で逮捕より引用)
「キングオブコメディ」の所属事務所・人力舎は、公式ホームページで以下の声明を発表しています。
皆さんはこれを見て、どういう感想をお持ちですか? 「痴漢は許せない」という意見が多かろうと思います。私もそう思います。痴漢は卑劣な犯罪です。高橋健一(キングオブコメディ)活動自粛のお知らせ
7月11日午前8時頃、弊社所属芸人の高橋健一(キングオブコメディ)が、満員電車内での痴漢行為の容疑で荒川警察署に逮捕されました。
事実関係はいまだ不明な部分もありますが、事態が所属芸人の逮捕に至っていることを重く受け止め、弊社としては、高橋健一の芸能活動全般を当面自粛させていただきます。今野浩喜は今まで通り活動をしていきます。
ファンの皆様、そして多方面の関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
(株)プロダクション人力舎
(高橋健一(キングオブコメディ)に関する重要なお知らせより引用)
でも、加えて私(と少数の人)は次のことを考えたのです。
それは、「キングオブコメディの片方の人(名前は忘れた)を痴漢の犯人と決め付けてはいないか」ということです。
裁判で有罪が確定してない時点で、その被疑者・被告人が犯人であるかどうかなんてわかりません。
しかし、一般にマスコミの報道では、ある人が逮捕された時点で、その人を犯人扱いします。
それは、日本のマスコミには、お上に依存する体質が残っているからです。マスコミの情報源は、基本的に役所や警察です。そこからの情報を無批判に、テレビやら新聞やらで垂れ流すのです。
国民も「お上の情報だから」といって、それを信じてしまうのです。国民の間にも、容疑者=犯人という図式が成り立っているようです。
今回の事件では、所属事務所が「事実関係はいまだ不明な部分もあります」と言っているのにも関わらず、容疑者を犯人と決め付け、芸能活動を全面的に停止させているのです。これは、今回だけに限らず、芸能人が逮捕された場合のお決まりのパターンです。
「逮捕された時点で犯人扱いする」くらいならまだいいかもしれません。場合によっては、マスコミは容疑者の家族関係や境遇などの個人情報を、興味本位に垂れ流すのです。それが、犯罪と無関係であっても。
しかし、これはマスコミだけの問題ではなく、視聴者にも問題があると思います。視聴者は人のプライベートを覗き見するのが好きだからです。人間は、どうしても他人のスキャンダルやプライベートに興味を引き立てられますよね。
ゆえに、マスコミが視聴率をとるために、容疑者の個人情報をどんどん報道するのは仕方がないことかもしれませんが。とはいえ、マスコミのデリカシーのなさは酷過ぎます。
一番の問題は、そのようなマスコミの行動が報道被害を生み出すことなのです。
冤罪が判明した段階でも、マスコミの過剰な報道のおかげで、その人の社会復帰は難しいと言われています。これは報道被害の典型です。もし、キングオブコメディの片方の人が無実だと判明したら、マスコミはどう償うのでしょうか。いや、何もしない、むしろ報道したことすら無かった事にするでしょう。
たとえ有罪だとしても、その人は法に基づく刑罰(死刑・懲役など)に加え、マスコミによって、「私刑」とか「ペンの暴力」というべき必要以上の社会的制裁を加えられてしまうのです。
確かに、有罪の人が社会的制裁を受けるのは仕方がないことかもしれません。
しかし、問題なのは、社会的制裁の担い手がマスコミであることなのです。マスコミは、NHKとかを除き(いや、場合によっては含まれるが)、利益を追求する営利企業なのです。マスコミは、社会正義に基づいて犯人に制裁を加えているわけじゃないのです。単に、視聴者や読者の興味を引き立てるために、犯人の個人情報を晒し、報道被害を生み出しているのです。
さらなる問題は、マスコミ自身は報道被害を正当化しようとしていることです。しかも、この傾向は近年強まっているように思います。典型例が「野獣(加害者)に人権はない」というある評論家の言葉。その気持ちはわかります。だけど、その評論家は「有罪が確定していない容疑者にも人権がない」とおっしゃりたいのでしょうか。そんなこと言ってるお前(ある評論家)が野獣なんだよ! とにかく、近年の報道はその傾向が強まっているように感じます。
少し長くなりましたが、私が一番言いたいことは、マスコミが「正義」のふりをするのは止めてほしいということです。
なお、今回の痴漢事件では、中越沖地震や参院選の関係で、あまり報道されていないようです。それゆえ、報道被害の心配はあまりなさそうです。
コメント
正義というシロモノは、時と場合によって、中身が変わる、推移するということがあります。こんな正義は、真の正義ではないでしょうけど。まさに、それが、マスコミの正義であるような気がします。その時々の正義でマスコミがいい気になって誤情報を流して、後で、間違えたとなったら、訂正、謝罪なんていう文面やテロップを流せば言いだけのことですから、お気楽なものですね。本当に。
マスコミに正義を求めるのは無理があるのではありませんか?
マスコミと言っても、ピンからキリまでありますから、
真実と正義を追求しながら、仕事をしているジャーナリストは、
少数であろうと思いますし、そういう人たちは、たぶん、
大きな組織には属していないと思います。
大きな組織に属するジャーナリストほど、俗っぽい正義に巻かれて、風見鶏みたいな記事を書くのではないでしょうか?
もちろん、テレビも然りですけど。
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